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日本VSベネズエラ

 11月16日に行われた代表親善試合「日本vsベネズエラ

今回はお互いのビルドアップについて分析したいと思います。

 

スタメンはこちら

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フォメーション 日本 1-4-2-3-1  ベネズエラ 1-4-1-4-1

 

マッチアップ図はこちら

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日本は後ろからしっかりつないでゲームをコントロールしようと、GKも積極的にパス回しに参加。

ベネズエラは簡単にパスを繋がせないぞ!とSB、DMにマンマークになるよう中盤が4人が横並びになるようなフォーメーション。

本来、DMがゲームメイクを行う日本だが、そのDMが簡単に前を向かせてもらえなかった。

日本はCBがゲームメイクをする展開に。㉒吉田⑯富安はボールがCBだったので、そう大きな問題にはならなかった。

 日本のビルドアップ①

2CBvs1CFで数的優位(エリアA)を得ているのでどちらかのCBが余り、前を向ける。

ベネズエラはCBがボールを持つのは許容とし、そこからの縦パスを入れさせない姿勢。CFの楔に対してもCBが前を向かせまいとついてくる。

そこで⑮大迫は楔を受ける振りをしCBを引き付ける。CBがボールを運び、裏のスペース、大迫へ向けてロングフィード

⑨南野がそこを狙うシーンも見られた。(下図)

 

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 日本のビルドアップ②

敵プレッシャーラインが4人なのでそこを超えられればチャンスになる日本。

そこで、⑧リンコンのアンカー脇を両SH、STの堂安、中島、南野が積極的に狙うシーンがいくつも見られた。

3人ともボールを受けたら縦にスピードがあがるため、相手のDFラインは下がるしかなくなる。これがいくつも決定機を作れた大きな要因になった。

ただ、縦パスを入れるコースも狭いため、中盤4人にひっかかってピンチになるシーンも。(下図)

 

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 ベネズエラのビルドアップ

日本は⑨南野が⑮大迫と横並びになって1-4-4-2の守備ブロックを形成。

そうなると、2CBvs1CFだったところが2CBvs2FWで同数になってCBが前を向いてボールを持つ機会が減る。

そこで⑧リンコンが2CBの間に落ちて2CB+1DMの3バックを形成。

こうすることで、後ろで誰か1人は前を受ける状況を作り出したベネズエラ。(下図)

 

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日本の守備ブロックをうまく崩せないベネズエラは、CB・DMからのダイレクトなビルドアップ、ロングボールに切り替える。

㉓ロンドンへロングボールを蹴り、周辺の選手はセカンドボールを拾うために密度を高める。選手たちは前向きにセカンドボールを拾えるため、攻撃は加速、決定機を多く作った。

㉓へのロングボール以外にもシンプルに裏へ蹴るシーンも多かった。(下図)

 

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どちらのチームも異なったビルドアップでしたが、お互いにやることをチームで認識できていたと思います。

日本が今後、世界レベルで戦っていく上でビルドアップは欠かせませんからより精度を高めていってほしいですね!

最後まで読んで頂いてありがとうございました!